軸受の回転時の音は、聴診棒(聴音器)を電動機の軸受部に当て音の大きさや音質を調べます。
参考のため、記載しますがその判断は難しく豊富な経験が必要となります。
音を文字で表現するのは困難で、個人の感覚の差もあるため、必ずしも適切とは言えませんが、軸受の典型的な異常な音の
特徴とその関係要因を示します。
音の表現 | 特徴 | 関係要因 |
---|---|---|
ザー ジャー ジー |
回転速度の変化で音質が変わらない(ゴミ) 回転速度の変化で音質が変わる(きず) |
●ゴミ ●軌道面、玉、ころの表面が荒れている ●軌道面、玉、ころ表面のきず |
シャー | 小型軸受 | ●軌道面、玉、ころ表面の荒れ |
シャ シャ | 断続的で規則的に発生する | ●ラビリンス部などの接触 ●保持器とシールの接触 |
ウーウー ゴーゴー (うなり音) |
回転速度の変化で大きさ、高さが変わる。特定の回転速度で音が大きい。 大きくなったり小さくなったりする。サイレン、笛の音に近いときがある |
●共振、はめあい不良 (軸の形状不良) ●軌道輪の変形 ●軌道面、玉、ころのびびり (大型軸受の場合は軽度の音であれば正常) |
ゴリ ゴリ コリ コリ |
手動で回転させたときの感触 | ●軌道面のきず(規則的) ●玉、ころのきず(不規則) ●ごみ、軌道輪の変形 (部分的に負のすきま) |
ゴロ ゴロ コロ コロ |
…大型軸受 …小型軸受 高速になると連続音 |
●軌道面、玉、ころ表面のきず |
ウィーン ウィーン ウー |
電源を切った瞬間に止まる | ●モーターの電磁音 |
チリッチリッ | 不規則に発生(回転速度の変化では変わらない) 主に小型軸受 |
●ごみの混入 |
チャラチャラ カラカラ バタバタ |
…円すいころ軸受 …大型軸受 規則的で高速では連続音 …小型軸受 |
●保持器音で澄んだ音なら正常 ●低温時ならグリス不適⇒柔らかいものが良い ●保持器ポケットの摩耗、潤滑不足、軸受荷重不足による運転 |
カチカチ カチンカチン カチャカチャ |
低速で目立つ 高速では連続音 |
●保持器ポケット内の衝突音、潤滑不足、内部すきまを小さくするか予圧すると消える ●総ころの場合は、ころ同士の衝突音 |
カーンカーン カンカン |
金属的な大きな衝突音 低速の薄肉大型軸受(TTB)など |
●転動体のはじける音 ●軌道輪の変形 ●キーのきしみ |
キュルキュル キュ キュ ジャージャー |
主に円筒ころ軸受で回転速度の変化により変わり、大きいときは金属音に聞こえる。 グリスを補給すると一時的に止まる |
●潤滑剤(グリス)のちょう度過大 ●ラジアル内部すきま過大 ●潤滑剤不足 |
キー キー ギー ギー キーン キーン |
金属間のかじる音 甲高い音 |
●ころ軸受のころとつば面のかじり ●内部すきま過小 ●潤滑剤不足 |
ピチ ピチ | 小型軸受で不規則に発生 | ●グリス中の気泡の潰れる音 |
ビシビシ ビンビン |
不規則にでるきしみ音 | ●はめあい部の滑り ●取り付け面のきしみ ●キーなどのきしみ |
ベアリングからの異音を放置しておくと、ベアリングが破損し
最悪の場合コイルも焼損するおそれがあります。
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参考文献:NTN株式会社 ベアリングの健康管理
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