モーターが異常に熱くなる

 電動機の本体温度が上昇し続けると、”絶縁物が劣化する・グリスが劣化する”等の副作用がおき
結果的に電動機が焼損するといったトラブルの発生要因となります。

 一般的には電動機は、始動電流による温度上昇後、一定の温度で飽和します。
発熱量の大きい場合には、より大きなフレームを使用したり、
冷却強制ファンを付け電動機内部を冷やしたりする使い方がされる場合もあります。


温度上昇の目安

温度上昇の目安

 電動機の絶縁種(A種・E種等)や電動機のメーカーによって異なりますが、温度上昇の目安を
上記の表に記載します。

(例) 15kW 4Pの電動機で周囲温度が30℃であれば、フレームの温度は71℃以上となれば
   なんらかの問題が起きている可能性が高いと言えます。

※あくまでも目安なので、自己判断せずにご相談頂きますようお願い申し上げます

参考文献:機械技術者のための電動機読本
pp.94-95

電動機のフレームと触感

 温度上昇については、おおまかに理解していただけたかと思いますが、常日頃温度計を持ち歩いて
いる方は少ないのではないでしょうか。
 こちらもあくまで目安なのですが、電動機フレーム温度と触感の関係を記載します。

電動機のフレームと触感
※電動機は高温になったり、軸が高速に回転しています。
事故や怪我の恐れがありますので、電動機に関して気になることがございましたら、
ご相談頂きますようお願い申し上げます。

絶縁材料

 電動機の銘板に「A種」や「E種」とありますが、これらは電動機の巻線に使用されている絶縁材料によって異なります。これらの絶縁の種類は 日本工業規格JIS(C4003-1962)に定められています。
 また、下記の表の最高許容温度は、巻線部の絶縁物に対する許容温度ですので、フレーム(外枠)の温度とは異なります。

絶縁種別 主要材料 最高許容温度
(℃)
Y 木綿・絹・紙などから構成されたもの 90
A Y種絶縁物にワニス類を含浸させたもの 105
E エナメル線用ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂
綿積層品、フェノール樹脂等の剛性樹脂
120
B マイカ、石綿、ガラス繊維などの無機材料を一般接着剤とともに用いて構成したもの 130
F マイカ、石綿、ガラス繊維などの無機材料をシリコンアルキド樹脂などの接着剤とともに用いて構成したもの 155
H マイカ、石綿、ガラス繊維などの無機材料をシリコーン樹脂を接着剤として用いて構成したもの 180
C 生マイカ、石綿、磁器などを単独で用いて構成したもの 180<

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