トップランナーモーター


 トップランナー基準とは、モーター製造事業者に、省エネ製品を製造するように基準値を設け、
クリアするように課した「エネルギーの使用の合理化に関する法律」の中の、機械器具に係る措置のことです。要するに、省エネルギーなモーターを製造しなさいというルールのことです。

 身近な例では、自動車にも「平成○○年度 燃費基準達成車」のルールもありますが、
その電動機(モーター)版です。

トップランナーモータ マーク

対象電動機

 モーターで消費される電力は、世界全体の消費電力量の40%を占めると推定されます。

世界の用途別消費電力量
















 そのため、より広範囲での高効率化を図ることが地球温暖化への環境対策の上でも重要であり、
下表のモーターがトップランナーの対象となります。

  単一速度三相かご形誘導電動機
出力 0.75kW~375kW
極数 2・4・6極対
電圧 1000V以下
周波数 50Hz・60Hzおよび50Hz/60Hz
使用の種類 S1(連続定格)または80%以上の負荷時間率をもつS3(反復使用)

※ただし特殊な用途、市場での使用割合が極度に小さいもの、技術的な測定方法
評価方法が確立していないものにに関しては除外となっています。(以下に記載)

【トップランナー適用除外】

  • 特殊絶縁
  • デルタスター始動方式
  • 船用モーター
  • 液中モーター
  • ハイスリップモーター
  • ゲートモーター
  • キャンドモーター
  • 極低温環境下で使用するもの
  • インバーター駆動専用設計で他力通風形のもの
    (インバーター駆動専用のもののうち、基底周波数が60Hz(50Hz)±5%以内のもの以外

モーター効率値比較(例:200V 4極 50Hz IP4X)

 日本においてのモーターの普及台数は約1億台とされ、大半がIE1という標準効率レベルとなっています
(IE1、IE3とはIEC規格の効率レベルを示す記号で効率の高さは下のグラフの通りIE1<IE2<IE3です。


注意事項

 トップランナーモーターは、以下の点に注意する必要があります。

1.モーターサイズが現行機より大きくなる場合があります。
 取り合い寸法、据付時の周囲機器との干渉をご確認ください。特に現行機が開放形モーターの場合は、
センターハイトが高くなる恐れがあります。トップランナーモーター開放型モーター
※同サイズ比較 2.2kW 2P (左:トップランナーモーター 右:開放型モーター)
2.モーターの定格回転速度が高くなる傾向にあります。
 現行のポンプ、ファンなどをそのままの負荷でリプレースする場合、速度増加に伴い、動力が増加し、
電力消費量が増加する傾向になります。
 
3.始動電流が大きくなる傾向にあります。
 これに伴い、配線用遮断機、電磁開閉器などの適正化を検討する必要があります。その他のモーター
周辺機器についても同様に実施されることをお薦めします。
 
4.モーター発生トルクが大きくなる傾向にあります。
 減速機などと直結しているような場合は、機械強度の適正化をご検討ください。
 
5.低始動電流仕様のモーターの製作ができなくなります。
 スターデルタ始動、減電圧始動への変更をご検討ください。



 上記のような内容に対応することが困難な場合は、モーターコイル巻き替えをはじめ、
オーバーホールをおこない、継続使用をお薦めいたします。

コイル巻き替え