精密絶縁診断試験


電動機は、常にストレスを受けています。

 

絶縁診断の目的

 電気機器や電路は絶縁物で保護され、大地および線間相互を絶縁して使用しています。
もし絶縁が劣化すれば、漏れ電流による感電や火災が発生したり、絶縁破壊による機器の損傷などが起こるので、常に充分な絶縁を有することが必要となってきます。
 

 弊社が提供する絶縁診断では、絶縁抵抗計(メガー)を用いた絶縁抵抗測定ではなく、専用の機器を使用しさまざまな試験を実施しています。それにより固定子を分解せずに、絶縁物の劣化状態を把握することが可能です。

絶縁診断試験













診断内容

測定内容 概要
1.絶縁抵抗試験 絶縁物に直流電圧を印加すると、ごくわずかの電流が流れ、電流と印加電圧の比を絶縁抵抗と呼びます。
絶縁層の劣化、汚損・吸湿状態を測定しますが、測定時の気温や湿度等の影響もあります。
2.直流吸収試験
(PI試験)
絶縁物に直流電圧を印加し、絶縁抵抗値の10分値と1分値の比の特性から絶縁層の吸湿・汚損状態を診断します。
3.誘電正接試験
tanδ試験)
標準電流と充電電流の位相差を測定し、絶縁物・絶縁層の吸湿・表面の汚損、ボイドの状態を推定します。
4.交流電流試験 固定子巻線と大地間に交流電圧を印加し、
大地絶縁内部のボイドの状態を測定します。
5.部分放電試験
(コロナ放電試験)
コロナ絶縁層に交流電圧を印加し、発生したパルス電圧から
絶縁物内部の劣化状態を測定します。

 

※ボイド:絶縁物内部の微小な空洞のこと。
この部分で微小放電が発生し、絶縁破壊に至る可能性がある。


 電動機の絶縁劣化のメカニズムから絶縁診断試験内容を簡単にご紹介します。
万が一試験結果が不良であっても当社にて整備を承ります。

絶縁劣化の主な要因

絶縁劣化 絶縁診断 メカニズム

●熱的要因

 ・熱劣化は絶縁物が長期の運転による加熱のため、絶縁物を構成する樹脂材料の熱分解や
  揮発性物質の熱膨張により絶縁層内にボイドが生じるようになり、電気的・機械的に
  絶縁性能が低下する。

 ・ヒートサイクル劣化は始動停止・負荷変動など巻線の冷熱サイクルに伴う絶縁物と導体間
  の温度差、および熱膨張差によって生じる剪断応力の繰返しよって生じる。

●機械的劣化

 ・電動機自体の電磁力による振動や、外力による振動などで摩耗や曲げ歪みが繰り返されて生じる。

●物理・化学的劣化

 ・環境の影響が主で、ダスト汚損や吸湿による絶縁表面抵抗の低下や、絶縁物の亀裂部分に
  侵入した場合は体積絶縁抵抗が低下する。

参考文献:山下 彊『電動機のメンテナンス』サン印刷
日本プラントメンテナンス協会
62pp.

 以上の要因より、電動機の絶縁箇所が劣化し、不良または焼損につながるため、
予防保全・電動機の延命化のため、当社では精密絶縁診断を実施しています。